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ココロとカラダのコラム0001:[臨床例]肩の痛み

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不定期的に予約の電話をくれる50代男性、Yさん。その日は左肩の痛みを訴えて来られた。「五十肩かもしれない」とのことだったが、腕はちゃんと上まで上がるので、いわゆる五十肩ではない。

ちなみに四十肩とか五十肩というのは疾患名ではなく単なる俗称で、正式には肩関節周炎という。石灰沈着などによって肩関節内部に炎症が起こり、激痛で肩が動かせなくなる。多くの場合、初期には夜になると痛みで眠れないという夜間痛が現れ、後期はそうした夜間痛がなくなる代わりに肩関節の可動域が低下する凍結肩(フローズン・ショルダー)という状態になる、特徴的な経過を辿る(従って肩関節周炎ならば、初期は炎症を抑えるためにできるだけ肩を動かさず、後期は可動域を広げるため積極的に肩を動かすようにするのがいい、とされている)。

しかしYさんにはそうした肩関節周炎に特徴的な症状も見られないので、さっそく体を調べると、肝心の左肩周囲に問題は見つからない代わりに、咬合(かみ合わせ)に異常が出ているのがわかった。顎から歯にかけて更に調べると下顎が右に変位し、左上顎7番の歯が強く押し込まれる圧下という状態を呈し、左の顎関節に異常なテンションがかかっていたのだ。

さて、臨床でのセオリーの1つに、右側に問題が出ている時は左側を、肩関節に問題が出ている時は股関節を調べる、…というのがある。ここでもそのセオリーに従って調べてみると、左の股関節(もっと具体的には左寛骨臼の月状面)に問題を検出したので、上記の問題と合わせてエッセンシャルオイル、主に左の顎部に対するクラニオセイクラル・ワーク、お灸などで処理した。

結局、左肩に対する直接的な施術は全く行わなかったが、動かした時の痛みが軽減し、左肩の可動域もかなり広がった。今回の左肩の痛みは、恐らく左の顎部の問題が頚部を介して左肩へと移行し、そこに異常なテンションを生じさせたことによって起こったものだろう。よくあることだが、「症状の出ているところが必ずしも悪いところ(=原因部位)ではない」という典型的な例である。

ところで、これは私の師匠に当たる松原次良(じろう)先生から聞いた話だが、「左側に症状が現れる場合は、何らかの家族の問題が絡んでいることがある」のだそうだ。そういえばYさん、つい先日に母親が亡くなり、葬儀を終えたばかりだという。時間の関係で調べられなかったが、左肩の痛みをもたらしていた左顎部の問題は、もしかするとそれと関係していたのかもしれない。

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