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ココロとカラダのコラム0019:甲状腺疾患を診る際の注意

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甲状腺は気管と咽頭(=のど仏)の間にある内分泌系の器官で、T4(チロキシンあるいはサイロキシン)、T3(トリヨードチロニンあるいはトリヨードサイロニン)、カルシトニンという3種類のホルモンを分泌するが、一般に甲状腺ホルモンという場合はT4、T3のことを指す(なお、T3はT4の10倍の活性を持つ)。T3、T4の働きは
・物質代謝を高める:心臓、肝臓、腎臓などの臓器や筋肉の酸素消費を高めて基礎代謝を上げ、タンパク質や糖の分解を促進して血糖値を上げ、体が活動しやすい状態を作る。
・発育を促す:成長ホルモンの働きを助けて、歯や骨、中枢神経系の細胞の発育を促す。
・精神活動を活発化させる:精神活動一般にも働きかけ、それを促す。
といったことがあるほか、他のホルモンの分泌や作用にも相乗的な効果をもたらす。

そのため、甲状腺ホルモンの分泌に問題が生じると、その影響は体全体に及ぶ。その代表的な疾患がバセドー病(甲状腺機能亢進症)と橋本病(甲状腺機能低下症)だ。
バセドー病の主な症状は、眼球突出、満月様顔貌(ムーンフェイス)、異常な発汗、極端な食欲増進、落ち着きがない、イライラして怒りっぽいなどがある。体型については太る場合とやせる場合がある。
橋本病の主な症状は、強い倦怠感と意欲の低下、疲労感、筋力の低下、食欲不振、体重減少など。やる気を失い、引きこもり気味になるため、しばしば鬱病と誤診されるが、抗鬱剤では改善しない。

こうした甲状腺疾患は甲状腺自体の異常で起こるだけでなく、甲状腺を含む内分泌系の上位中枢である視床下部、下垂体の異常、あるいは視床下部―下垂体―甲状腺という3つの部分の連携の問題によっても起こることがある点は注意しなければならない。

ここで視床下部と下垂体についても述べておくと、視床下部は内分泌系(ホルモン系)の最上位中枢で、下垂体に対して甲状腺を刺激するように命じるホルモン(TRH)を分泌する。下垂体はそれを受けて、甲状腺にホルモン分泌を分泌せよと命じるホルモン(TSH)を分泌するのである。
──と書くと紛らわしいが、「視床下部―下垂体―甲状腺」を「役員―部課長―ヒラ」と読み替えればお分かりいただけるだろう。要は役員が部課長に命令し、それを部課長がヒラに命令する、という関係なのだ。だから、それらが個々に正常であるだけでなく、それらの連携そのものも正常に機能していることが肝要なのだが、それが治療の際に意外に盲点だったりするのだ。

そして、甲状腺疾患だけでなく内分泌系の問題はどれも同じことが言える。

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