ココロとカラダのコラム0054:[臨床例]肩から腕、手にかけての痛みとシビレ
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5年半ぶりに来たUさんの主訴は、左の肩から腕、手にかけての痛みとシビレだった。病院で診てもらったところ、頚椎の椎間に狭くなっているところがあると言われ痛み止めを出されたが、飲んでも効かないので電話したとのこと。
腕や手に限った話ではないが、特にしびれがある場合は、それがどの部位かを知ることが大切になる。皮膚の知覚は部位ごとに担当する神経がほぼ決まっているので、シビレている部位によって障害されている神経がわかるからだ。
なのでUさんにも、まずは手についてシビレている部位を聞いたが、あまり明確な答が返ってこない。左右の手の感覚の違いを調べたが、差はないという。そこで左手の母指と残り4指それぞれで輪を作ってもらい、それを引き離すO-リング・テストを行い、どの指の筋力が低下しているかを探った。その結果、母指と第4指、第5指で作ったO-リングだけが引き離されたことから、尺骨神経が障害されているのではないかと考えられた。実際、尺骨神経が支配する尺側手根屈筋にも弱化が見られた。そこで、それらに対する治療ポイントをキネシオロジーで探り、そこへの施術を行うことで筋肉の弱化は消えた。
しかし、それだけでは肩から上腕の痛みは取れない。といっても、そこは尺骨神経の担当領域ではないので当然なのだが。
最初に聞いた病院での診察結果のことも頭にあったので、治療室に置いてある骨模型にUさんの体をイメージ投影して調べた。このイメージ投影は非常に強力な検査法で、恥ずかしながら触診が上でない私はよくこの方法を使う。すると頚椎の3,4番の間の左側に狭窄があるようだ。そこでエッセンシャルオイルとクラニオを使ってその狭窄が改善するように持っていった。それは物理的な力を一切使わない、ただ触れているだけに等しい方法だ。
こういう場合、頚椎3,4番間の左側の狭まりを例えばカイロプラクティック・アジャストメント(骨格矯正)などによって直接、物理的に広げる方法もあるが、そうした狭窄が1次性に起こっているのではなく、別の原因から2次性に生じているだけのことも多々ある。だから私はそうした直接の物理的アプローチはまず行わない。それでも、これによって左の肩から上腕部のシビレや痛みは半分以下にまで軽減した。
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