キネシオロジー
1.アプライド・キネシオロジー(AK)誕生まで
AKは米国のカイロプラクターであるジョージ・グッドハートによって開発され、その後も発展を続けている診断・治療システムである。従来のカイロプラクティック(いわゆるストレート・カイロ)が脊椎の変位に着目し脊椎へのアプローチを主眼に置いているのに対し、AKでは筋力のバランスや筋力の変化を診断・治療の中心に置く。
グッドハートがAKを開発する端緒となったのは、彼がある元軍人を治療したことによる。
この患者は腕を前方に押し出す動作ができず、軍を辞めなければならなくなったばかりか新たな職に就くこともできないでいた。患者の肩甲骨は逸脱してたが、グッドハートはそれを治すことができなかった。困った彼は患者の前鋸筋(腕を押し出す筋肉)の強さを調べてみることにした(このように,筋肉の強さを調べる検査を 筋力テストという)。
テストの結果、患者の前鋸筋には明らかな弱さがあった。グッドハートが知る限り、このように筋肉が弱い場合、その筋肉と関係する神経に問題があるか、その筋肉に萎縮が認められるはずだったが、そのようなことはなかった。しかし更に注意して調べると、前鋸筋の骨に付着する部分(起始停止部)に強い痛みがあることがわかり、そこにマニピュレーションしてみると、すぐに逸脱していた肩甲骨が正常な位置に戻り、前鋸筋の弱さも消えた。そして患者は腕を自由に動かせるようになっていたのだ(この方法は現在、起始停止テクニックと呼ばれている)。時に1964年のことである。
このことがキッカケとなって、グッドハートは筋肉に注目してさまざまな治療テクニックを開発していく。それを体系化したものがAKである。
AKでは「健康は構造、化学、精神の三角形の中に入る」と考える。構造とは骨格、細胞組織、臓器などの構造的なもの、化学とは食物という体の化学的素因、そして精神とは心因性素因を表し、それらの調和の中に健康があると主張する。そして、筋力の変化を指標に、構造、化学、精神の状態を評価し、その三角形の調和を目指すのがAKの治療である。
そのため、AKは構造、化学、精神にアプローチするための、さまざまなテクニック──脊椎だけでなく頭蓋骨の動きの調整,皮膚上の反射ポイント(東洋医学でいうツボのようなもの)へのアプローチ、更には鍼や灸を全く用いないで行う経絡治療、感情解放テクニックなど──を包括的に有していることを特徴としている。
2.AKからキネシオロジーへ
AKを開発者したグッドハートがカイロプラクターだったこともあって、AKは一般にカイロプラクティックの一分野、あるいは一流派と見なされている。だが、上述のようにAKは指標が単純明快であると同時にカバーする範囲が広範囲に渡ることから、AKが母体となってさまざまな療法が生み出されている。
あるものはAKをより簡略化し洗練させ(「O-リング・テスト」、「タッチ・フォー・ヘルス(TFH)」など)、あるものは心理学の分野(感情ストレスに焦点を当てた「スリー・イン・ワン(3in1)」など)、あるものは教育学の分野(教育現場で使われている「教育キネシオロジー(EduK)」、「ブレインジム」など)、またあるものはオカルティックな分野とリンクするなど、現在ではキネシオロジーは、カイロプラクティックの枠組みを超えて、「キネシオロジー」という別の大きな体系を形成している。
当治療室で用いているキネシオロジーは、横浜の松原治療室院長、松原次良(じろう)先生がAKを独自に改良・発展させた、クリニカル・バイオホログラフィック・システム(CBS)をベースにしたものである。
3.キネシオロジーにおける検査と治療
グッドハートは、生物の体には問題のある部位や治療を必要としている部位に触れると、強かった筋肉が弱くなったり弱かった筋肉が強くなるというふうに、筋肉の力が変化することを発見した。それがキネシオロジーにおける最強のツール、筋反射テストである。筋反射テストではテストの指標となる筋肉(インジケータ筋)を設定し、そのインジケータ筋の強弱の変化によって、その人の持つ問題(構造的、環境的、栄養的、心理的、…)を浮き彫りにし、またそれへの対処法を決めるのである。
筋反射テストを用いた検査として有名なのが、物質や薬を手に持たせたり体の上に置いたりして、それが相手の体にとっていいものか悪いものか、あるいは体にどんな影響を与えるかを調べたり、相手にさまざまなことを想像してもらったり問いかけをした時の筋力の変化で、相手が潜在意識のレベルでブロックしているものを調べたりするものである(下の動画はセミナーでのひとコマ)。
こうしたことはさまざまなキネシオロジーのデモで行われ、それを学ぶ人たちも急速に増えているが、その反面、非常に粗雑な情報や間違った情報(例えば、スイッチングがあると筋反射テストの強弱が反転するので逆に解釈するように、などといった(注))もネットなどに流れていて、キネシオロジストを名乗る人たちの質の低下が懸念される。
(注)スイッチング(神経学的混乱)があると、筋反射テストの結果は反転するのではなく不定になってしまうので、結果を逆に解釈しても意味がない(このことは筋反射テストを使って簡単に調べることができる)。
なお、インジケータ筋は施術者が任意に決めることができ、しかも第3者の、あるいは施術者自身の筋肉をインジケータ筋とすることもできる。そのため、仮に相手が遠く離れた場所にいても検査には何ら支障はない。
4.ではそもそも筋反射とは何なのか?
筋反射という現象が起こる仕組みについては、まだよくわかっていない。グッドハート自身は、その人にとって好ましくないものを持つとインジケータ筋が弱化することから、筋反射をストレス反応の一種だと考えていたようだ。
そういうこともあって、今もキネシオロジストの中にはストレス反応説をとなえる人が少なからずいるが、筋反射にはストレス反応では説明できないこと(例えば、上に述べた第3者の筋肉を代理のインジケータ筋として使えることなど)が多く、私はこの考えを支持していない。
私自身は、この世界のあらゆる事象──「もの」も「こと」も──は情報へと還元でき、生物にはもともと、この情報としての世界──世界情報構造体とでも呼ぶべきもの──にアクセするための仕組みが備わっていると考えている。そしてその1つが筋力の変化を指標としたもの(筋反射)ではないか、と。つまり、筋反射とは身体の世界情報構造体に対する共鳴現象を筋肉によって捉えたものだというのが、現段階での私の考える筋反射の生じる仕組みである。
→ 適応症例、施術料金など




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