キネシオテーピング
1.キネシオテーピングは一般のテーピングとどこがちがうのか
キネシオテーピングはカイロプラクター加瀬建造によって開発され、現在、世界中で用いられているテーピング方式である。
一般のテーピング(特にスポーツテーピング)は、ケガや故障を起こした箇所を一時的に使用しないようにくるんで固定することを目的としている。このようなテーピングは、もちろん骨折や脱臼を起こした場合の患部の保護という意味で重要なものである。しかし、テーピングした部分の動きを制限してしまうことにより、動作する上で筋肉に無理な負担がかかり姿勢のバランスが崩れるという問題、あるいは固定するのが目的だから強くテープを巻かなければならないが、強く巻いたテープが患部を圧迫して血液やリンパ液の流れを滞らせ、逆に回復を遅らせるという問題を持っていた。
キネシオテーピングはそんな固定を目的とした一般のテーピングとは異なり、関節の動きを悪くさせている筋肉や筋膜の異常に着目し、筋肉と同じ割合で伸び縮みするテープを貼ることで、筋肉や筋膜を制御することを目的としたテーピングである。つまり「固定する」テーピングではなく「動かす」テーピングであり、テープの伸縮そのものが体に作用するという特徴を持っている。
なお、キネシオテープという名前は「キネシオロジー(筋肉運動学)」に由来している。
2.キネシオテーピングは体にどう作用するのか
キネシオテーピングは、現在までの調査、研究の結果から、体に対して次の5つの作用を及ぼすと考えられている。
1)筋肉を保護し、補強する
筋肉と同じ収縮度を持つテープを貼ることにより、テープの厚み分の筋肉を外付けしていることになる。それによって、弱っていた筋肉を強化すると同時に、その筋肉の弱さから来ていた姿勢のアンバランスを改善する。
2)関節の位置を正常化する
関節の位置は、そのまわりの筋肉の力のバランスによって正常に保たれている。キネシオテーピングは弱った筋肉を補強することで筋力のバランスを改善し、関節を正常な位置に戻す。
3)リンパ液や血液の循環を改善する
キネシオテープは筋肉や皮膚を引き伸ばした状態で貼るので、貼り終えるとテープにしわができる。このしわが皮膚をフワリと持ち上げ、皮膚の下に溜まって滞っていたリンパ液や血液がスムーズに流れるようになる。従って、患部に浮腫(むくみ)や内出血などがある場合も、キネシオテーピングを施すことによって早く取ることができる。
4)痛みを抑える
痛みは、痛みを感じさせる物質(発痛物質)が貯留することによって起こる。キネシオテーピングはリンパ液や血液の循環を改善することで、その発痛物質をすみやかに流し去ってしまう作用がある。
5)筋膜を状態を調整する
人間の体は、表層から表皮→真皮→筋膜→筋肉という層を成している。そして筋膜にはわずかにリンパ液が流れ、それが皮膚と筋肉との間の潤滑油として働いている。肩こりや背部の違和感などには、この筋膜の働きが悪くなることで発生するものが多くある。キネシオテーピングは潤滑油としてのリンパ液の流れを改善させ、筋膜が本来の働きをできるようにさせる。
* * *
以上がキネシオテーピングの主な作用だが、治療する側にとってはもうひとつ大きな働きがある。それは、治療室を出たあともテープは一緒についていってくれる、ということ。そして、体に作用を及ぼし続けてくれる、ということ。実は、そこがテーピングすることの隠れた意味なのである。
3.キネシオテーピングの特徴とは
以上、キネシオテーピングの効果を列挙してきたが、もちろんキネシオテープは「魔法のテープ」ではない。キネシオテープは、言ってみれば、ただの「裏に糊のついた、伸び縮みするテープ」に過ぎない。裏に薬が塗られていて、それが体に作用するような市販の貼り薬とは、そこが大きく違う。2に挙げたようなテープの力をどれだけ引き出せるかは、ひとえにテーピングの技術そのものにかかっている──それが、キネシオテーピングの最大の特徴である。テープのライン取りや引き加減が微妙に変わるだけで、効果に大きな差が出てしまう。そのため、使う側にとっては、絶え間ない研究が要求されるシンドイ(笑)テープでもあるのだ。
* * *
キネシオテープを我流で貼っている人の中に、テープを引き伸ばして貼っている人がいるが、これは大きな間違い。テープを引き伸ばして貼ってしまうと、貼った後に「皮膚をフワリと持ち上げる」しわができずテーピング本来の効果が出ないばかりか、テーピングした部分の筋力が逆に低下してしまうという研究結果が出ている。要注意!
4.キネシオテーピングのバリエーション
ここまでは非常にスタンダードなキネシオテーピングについて述べてきたが、それとは全く異なる形のキネシオテーピングも存在する。
ポピュラーなものとしては、1cm角くらいの大きさのキネシオテープを経穴(ツボ)に貼る経穴テープがある。これは鍼(はり)や灸(きゅう)を使わず経絡を調整する1つの方法として、比較的広く用いられているようだ。
蒼穹堂治療室では、さまざまな図像をテープに波動転写して体に貼るオリジナルの手法とも言えるテクスチャー・セラピーや、漢方の生薬に対応する音素をテープに書いて貼る(音素療法の変形版)などにも用いている。これらは本来のキネシオテーピングとは異なるので、ここではこれ以上は述べない。その詳細については、過去にブログで何回か書いたことがあるので、興味のある方はブログの過去の記事から探し出してみてほしい。
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