ココロとカラダのコラム0060:めまいの鑑別
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めまいは治療院で聞く症状としてもポピュラーなものの1つだが、場合によっては裏に重篤な問題が隠れている可能性があり、それだけに注意が必要だ。
まず教科書的なめまいの分類を述べると、めまいには大きく分けて、風景が回るように感じる回転性のめまい、体が浮いているような浮遊性(浮動性)のめまい、急に目の前が暗くなるような失神性のめまいがある。疾患としては、回転性のめまいは耳鳴りや難聴がなければ良性発作性頭位めまい、耳の異常を伴う場合はメニエール病など。浮遊性のめまいは、脳血管障害あるいは脳血流障害(重篤なものでは脳腫瘍や脳梗塞など)が疑われるほか、鬱病など心因性疾患の可能性もある。失神性のめまいは、起立性調節障害や貧血で起こるので循環器や消化器の疾患まで考える必要がある。
そうした教科書的な分類を踏まえて、めまいを実際の臨床で診る際にまず大事なのは、耳鳴りや難聴など耳に関する症状の有無、そして持続時間と誘発要因だ。
まずは耳の症状のない場合。
めまい症状が持続するのが短時間で、そのめまいが寝返りなど頭を動かすと生じるなら良性発作性頭位めまい、立ち上がると生じるなら起立性調整障害(起立性低血圧)、そして特にそうした誘発要因がないなら不整脈やパニック障害などの可能性が高い。めまいの持続時間は良性発作性頭位めまいなら1分ほど、パニック障害でも20分以内。なお、起立性調整障害は内臓からの出血によって生じているケースがある他、吐き気や嘔吐を伴う場合は胸痛のない心筋梗塞の可能性もあるので注意。
めまいが数時間以上持続するなら、頭を動かすことで誘発要因されるものは前庭神経炎、立ち上がることで誘発されるなら脳血管障害、そして誘発要因が特にないものは鬱病や複合型感覚障害。ただし、脳血管障害の中にも誘発要因がないものがある。前庭神経炎はめまいの他、激しい吐き気や嘔吐を伴うことが多い。
耳鳴りや難聴、耳閉塞感など耳の症状を伴うめまいは、主に末梢性のめまいであり脳血管疾患では出現しにくい。考えられる疾患としてはメニエール病、突発性難聴、聴神経腫瘍などがある。
めまいが長時間持続する場合は医療機関を受診するべきだが、短時間で消えるめまいでも頻発する場合はやはり医療機関で診てもらうことをお勧めする。
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