ココロとカラダのコラム0075:慢性疲労に要注意
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夜グッスリ眠ったつもりでも、朝目が覚めるとドッシリとした疲労感が体に残っている──そんなことはないだろうか? もし明らかな疾患もないのに、そんな状態が半年以上続いているなら、それは慢性疲労かもしれない。
厚生省(現厚生労働省)が2000年に行った調査によれば、日本人の3人に1人が慢性疲労を訴えているという。それから20年が経過した現代、慢性疲労を訴える人の割合は更に高くなっていると考えられる。
一般に疲労とは、肉体的な疲労、内臓の疲労、自律神経の疲労、精神的な疲労があるとされている。そして慢性疲労とは、これらの4つが結びついてループ上になってしまったものだ。
例えば、肉体的な疲労を回復させようと遅い時間にドカ食いし、それが内臓(この場合は特に消化器系)を疲れさせ、しかも自律神経の交感神経と副交感神経の間の自然な切り替えが乱れることによって睡眠の質も低下し、結果として仕事の効率も落ちて精神的にもイライラした状態で一日を過ごすことになって、ますます肉体的にも疲労する、といった無限ループである。
あなたにも思い当たることがあるのでは?
慢性疲労それ自体はまだ病気ではないが、そういう状態は東洋医学でいう「未病」に当たり、心身に関わる病気になりかけていることを示すアラームかもしれない。そして病気は必ずしも、それとわかるような明らかな前兆や症状があるわけではない。
例えば、心筋梗塞や脳梗塞、鬱病や心身症などは突然発症することが珍しくない。
もし慢性疲労を疑うような状態が続いているとしたら、仮に健康診断で問題なしという結果が出ていたとしても注意する必要がある(健診の数値が全て正常範囲であっても、それで健康であることが保証されるわけではない)。疲労の期間や程度によっては、医療機関を受診したり整体など各種療法の治療院で診てもらうなどのアクションを起こした方がいいこともある。
ただし治療院に行くなら、骨格を矯正したり筋肉を緩めるというだけのところではダメだろう。私が診るとしたら、内臓系、脳・神経系、また東洋医学(中医学)的には慢性疲労とは気虚に当たるため気の状態も含めて、どこがどうなっているかを調べて、全体としてどういう流れで慢性疲労になったのかを捉えた上で、どこからどう処理するかの優先順位を決める。
なお、上に述べた慢性疲労は慢性疲労症候群(CFS)とは違うものだ。普通の慢性疲労が疲労感を感じるものの、ほぼ支障なく日常生活を送ることができるのに対して、CFSは強い疲労感のほかに微熱、頭痛、筋肉痛、睡眠障害などが半年以上続き、日常生活に影響をきたす疾患で、今のところ原因はわかっていない。
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