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ココロとカラダのコラム0036:その腰痛、慢性化するか?

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急性の腰痛に関しては、よく知られた急性外傷に対するRICE処置(R:rest 安静、I:icing 冷却、C: compression 圧迫、E:elevation 挙上)をちゃんとやっておけば一過性ですみ、後を引くことはあまりない(変なところの施術を受けて、ギックリ腰なのに思いっきり揉まれた、なんてことがなければ)。問題は慢性化する腰痛がある、ということである。

その腰痛が慢性化するかどうかは、姿勢や骨の歪みで決まるわけではない──そう言われたら、あなたは信じるだろうか? しかし、それが今や世界の医学会では主流となりつつある。それが、腰痛が慢性化する要因を「生物医学的側面」からではなく「生物社会心理的側面」から見る、ということである。

治療業界というのはとても古くさい世界で、相変わらず多くの先生たちが、慢性腰痛の原因を「姿勢が悪い」とか「骨盤が歪んでる」とか「仙腸関節がずれてる」のような筋骨格系の構造的な問題のせいにしているようだが、世界的には医療自体が「腰痛が慢性化してしまう人は、腰痛に対する考え方に何かしらの傾向がある」という方向に大きく変わってきている(これが「生物医学的側面」からではなく「生物社会心理的側面」から見る、ということである)。

実際、イギリスではそうした考えに則って、Keele Universityを中心に、その腰痛が慢性化するかどうかのリスクを調べる「STarT Back Screening Tool(スタートバックスクリーニングツール)」が開発され、医療の現場で運用されている。

それを東京大学の松平浩医師が翻訳したものを以下に引用すると…

 ここ2週の間について考えてください(「はい」が1点、「いいえ」が0点)。

1.ここ2週の間、腰痛が足の方に広がることがあった
2.ここ2週の間、肩や首にも痛みを感じることがあった
3.腰痛のため、短い距離しか歩いていない
4.最近2週間は、腰痛のため、いつもよりゆっくり着替えをした
5.私のような体の状態の人は、体を動かし活動的にあることは決して安全とはいえない
6.心配事が心に浮かぶことが多かった
7.私の腰痛はひどく、決してよくならないと思う
8.以前は楽しめていたことが、最近は楽しめない
9.全般的に考えて、ここ2週の間に腰痛をどれくらい煩わしく感じましたか?
:□全然(0点) □少し(0点) □中等度(0点) □とても(1点)  □極めて(1点)

上の9項目の合計点が4点以上の場合、腰痛が慢性化してしまう可能性は「中・高リスク」となるので、医療従事者は「心理面」を重視した治療アプローチを取る必要がある。そこでは、腰痛の考え方や必要以上の恐怖を改善することが治療のポイントになる。
一方、4点未満の「低リスク」の人には、必要以上の安静はしないで普通に生活し、適度な運動をしてもらう。

ここで改めて質問項目を見てもらうと、姿勢がどうとかいうことは全く問われていないことが分かると思う。つまり、腰痛が慢性化するかどうかは姿勢など構造的な要因ではなく、心理、認知面や破局的思考などの心理的要因が非常に大きいことが、ここからも読み取れるのだ。

あなたが慢性腰痛を患っていたり、慢性腰痛になるのでは?という不安を持っているなら、それには「年齢が…」「姿勢が…」「骨のズレが…」といった物理的、構造的な要因よりもまず、心理的、感情的な要因を考えてみるべきではないだろうか。

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