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ココロとカラダのコラム0012:オカルティックな身体

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「腰が痛い」、「頭が重い」、などと言われると、つい骨盤がどうとか、頚椎の何番がどうとか、○○筋の状態が…などと、その理由を解剖・生理的に分析して語りたくなってしまうのは治療家の性(さが)だが、「だからそれを修正しさえすれば…」といざ治療しても、(私を含めて)最初の言葉通りにはよくなっていかないことも少なくない。
なぜかって? 身体──というかもっと広くボディマインド(心身)──というものは解剖・生理的な原理だけで動いているわけじゃないから。

例えば東洋医学(中医学)では、世界は木、火、土、金、水の5つの要素から構成されているという五行論に基づいて、ボディマインドもこの5つの要素に還元できて、人体はこれらの要素の関係性に従って動いている、というのが基本的な人体観になっている。これらは西洋医学的な解剖・生理の枠組みでは説明できないものだが、現実の人間には意外によく当てはまったりする。

またそれとは別に、シュタイナー医学というものがあって、それについての本としては彼のベルリンでの講演をまとめた『オカルト生理学』などがある(日本では、ルドルフ・シュタイナーは「シュタイナー教育」が有名なこともあって教育学者だと思われているようだが、彼は教育学者ではなくオカルティスト(神秘家)。そして本来の「シュタイナー教育」とはオカルティスト養成のための教育プログラムだ)。

その『オカルト生理学』に述べられているシュタイナーの身体観、人間観は東洋医学の五行論と比べてもかなり異様で、なかなか理解しがたいところがある。ただ五行論が中国の古代哲学と経験則から理論的に作られたものであるのに対して、シュタイナーのそれは霊的修行によって獲得した超感覚(霊視、霊聴など)によって実際に自らが確認した「(表面的に知覚されたものではない)本当の人間の姿」に基づいたものだという(実際、彼は西洋医学的な身体を「外的な解剖学の教える空想的な解剖図」とまで言っている)。

私は霊的修行もしていないし超感覚的なものも持ち合わせていないので、シュタイナーの述べていることの真偽は正直わからない。ただ彼がここまで言う以上、そのオカルティズムに基づく身体観には一定の真実が含まれていると思わざるを得ない。
つまりボディマインドを成り立たせ、動かしているものには、西洋医学とも東洋医学とも全く違う原理が含まれているわけで、だから西洋医学的な解剖・生理の切り口だけでああだこうだとやっていても、例えば腰痛でさえ思ったほどには治らないのは実は当然なのだ。

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