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ココロとカラダのコラム0067:ホントは怖い味覚障害

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同じ物を食べても以前と味がずいぶん違うと感じられたり、何を食べても薄味に思えたり、周囲から味付けが濃くなったと言われたりするようなら、それはもしかしたら味覚障害かもしれない。

味は舌にある味蕾が感じ取り、舌の前2/3の感覚は舌神経、後ろ1/3の感覚は舌咽神経の感覚神経線維を通じて、最終的に大脳皮質の体性感覚野の下部(味覚野)に投射される。
けれども、実は広い意味で味として感じられる要素は、食べ物の硬さ、色、形、舌触り、そして匂いなど多岐にわたり、それらがトータルされて「味」として認識されるので、味覚障害も単純に、味蕾―感覚神経線維―味覚野のルートの問題としてだけでは捉えられない。

よくある味覚障害の原因には、加齢、鼻炎、ドライマウス、亜鉛の不足、味蕾の新陳代謝には亜鉛が必要)、薬による副作用(解熱剤、鎮痛剤、抗アレルギー剤、降圧剤、向精神薬などで味覚障害が起こりうる)などがだが、重篤な疾患が絡んでいる可能性もある。例えば脳梗塞、脳出血、神経腫、肝不全、腎不全、甲状腺疾患、糖尿病はど味覚障害を引き起こすことがある。

ついでに私自身の体験を述べておこう。私の父は癌で亡くなった。癌であることががわかった時には胃癌が膵臓にも転移していて、手術できる状態ではなかったのだが、それがわかる少し前、私がたまたまお盆で帰省した時、父は「飯が不味い」としきりに文句を言っていた。父は昔から味にはあれこれうるさい人だったので、「親父、またあんなこと言ってるよ(-_-#)」と、ちょっとウンザリしながら聞いていたのだが、後から考えるとそれは父のワガママではなく、膵臓癌による味覚障害のためだったようだ。
この話を以前、知り合いの先生にしたら、何とその先生の父親も膵臓癌で亡くなっていて、やはり味覚障害を起こしていたという。

そういうこともあるので、味覚に異常を感じたら、あまり軽く考えない方がいいかもしれない。

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