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ココロとカラダのコラム0071:[臨床例]逆子

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一般に逆子は鍼灸が得意とするものの1つで、病院でも医師によっては逆子の妊婦に対して鍼灸治療を勧める人もいる。
一番有名なのは至陰(しいん)穴へのお灸で、別名「逆子の灸」とも呼ばれる。実は至陰へのお灸でなぜ逆子が治るのかについてはよくわかっておらず、あくまで昔からの経験則によるものだが、効果は高い。

とはいえ、この記事は「至陰にお灸して逆子を治した」という話ではない(そもそもそんな記事を書いたところで、当たり前すぎて笑い物になるだけだ)。

これは私が実際に診た逆子の症例である。患者は妊娠28週目。まずはお約束通り至陰、そして合わせて経穴の反応から三陰交へのお灸を行った。けれども、めぼしい変化が見られなかったため、クラニオセイクラル・ワーク(頭蓋仙骨療法)に切り替えた。

頭蓋をホールドしていると羊水の中の胎児を感じた。そこで私は胎児に体位を変えるようにサインを送ってみたが、胎児には強い不安があって、それができないでいるようだった。キネシオロジー的にマインドでの問いかけを通じて不安の理由を探ると、「化学物質」という答。更にその「化学物質」が具体的に何を指しているのかを追っていくと、どうも芳香剤か消臭剤の類ではないかというところに行き着いた。

そこで(初めて来た人に、いきなりそんなことを言うのも気が引けたが)、
「家で消臭剤や芳香剤の類を使っていませんか? 胎児がそれに含まれる化学物質に非常に不安を感じいていて、うまく体位を変えられないようです。もしかしたら、逆子になったのもその物質が関係していたのかもしれません。ですから、そういうものを使っていたら、しばらくの間、使用するのをやめてください」
という話をした。

彼女は「こいつ、何言ってんだ!?」と訝しそうな様子で帰っていったが、実際に家ではそのどちらかを使っているとのことで、使うのをやめてみると言っていた。
その彼女から10日ほど経って電話があり、「病院で検査したら逆子が治っていた」とのことだった。

以上、周囲に普通にあって使われている化学物質が逆子に関係していた、という症例。

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