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東洋医学(中医学)

鍼灸はどう効くのか

中医学の世界へ

0.はじめに −素朴な疑問−

 いきなり人様のことを言うのもナンだが、「鍼や灸をすると何故治るのか」がきちんと書かかれている鍼灸院のHPが、ほとんどないのは何故なんだろう? 注1
 どのHPも書いてあることといったら
・ウチの鍼は全て使い捨てですから、感染症の心配はありません。
・使う鍼は非常に細いものですから、痛くありません。
・ウチでは皮膚に直接するお灸はやりませんので、跡はつきません。
なんてことばかり(これって、単なる道具の説明じゃないか)。あとは「東洋医学とは」なんてページがあって、いきなり気や経絡、ツボの話になってしまう。それなら当然「鍼や灸はどうやって気や経絡に働きかけるのか」という説明があって然るべきだと思うのだが、そんなものはどこにもない。それとも、鍼や灸をすれば気や経絡に作用する、なんてことは、説明する必要もないような常識なのだろうか。

 もしそうであるなら、これからあとの文章は全く無意味なものなので、別のページに移るなり、違うHPに飛ぶなりした方がいい。時間の無駄だから。しかし、これから鍼灸治療を受けようと考えている人も、かつて受けた人も、今実際に受けている人も、疑問に思ったことはないだろうか。「ドウシテ鍼ヤ灸デ病気ガ治ルノダロウ」と。

 更に言えば、私自身がカイロプラクティックというものからこの治療の世界に入った人間であるためか、鍼灸治療を学んだ今でも「鍼や灸を使うことでしか、気(=生体エネルギー)や経絡(=エネルギーの循環路)に働きかけられないのか」という疑問も持っている注2

 本当のところ(多分、私を含めた多くの人には)気も経絡も見えないので、鍼や灸(やカイロ)が気や経絡に実際に働きかけているかどうか否定も肯定もできない。ましてや、どのように働きかけているかなど、知りようがない。しかし、鍼や灸をすることによって生体にどのような現象が起こるのか、については研究が進められてわかってきたことも多いので、鍼灸治療も行う治療院の責任?としてその一端をご紹介する。ただし、オカルティックな話は出てこないので、それを期待していた方にはゴメンナサイ(_o_)。

注1:カイロプラクティックやオステオパシーなど多くの代替医療や民間療法では、それを中心に施術する治療院のHPなどで、「その治療はどういう原理で体の何にどう作用するのか」が書かれているものだ。もっとも、書かれていることが全て正しいとなどとは思わない方がいい。カイロの治効機序に「ズレた背骨が脊髄を圧迫しているのを…」なんて書いているものがあったっけ。オイオイ、そんな状態じゃ患者さんが歩いて治療院に来られるはずがないだろうが(笑)。
注2:臨床の場で、例えば胃痛で足三里穴(消化器疾患治療の常用穴)に圧痛が出ていた患者に対して、カイロ治療で胃の弱さを取ったらツボの反応も消えた、という経験を何度かしている。だからといって、別に鍼灸治療を否定しているわけではないですよ。

1.鍼の作用

1)血管と血液に対する作用
 鍼を打たれると、打たれたところがうっすらと赤くなることがある(これをフレアー現象と言う)。鍼を打たれたことで交感神経が興奮し、いったん血管が収縮するが、鍼によって傷つけられた組織を修復させるために再び血管が拡張することで起こる現象である。このように、鍼を打つと、その部分の血流が改善される。血行不良で起こる首・肩のこりに鍼が効くゆえんである。変形性膝関節症(OA)も、その原因の1つは血行不全にあるので、鍼をすることでそれを改善させることができる。更に血管が拡張することによって血圧も下がるのだ。

 血液そのものに対する作用もある。例えば、鍼によって赤血球数が正常値に近づくことがわかっている。また、免疫機能に関与するT細胞、B細胞が増加し、NK細胞が活性化する注3。それ以外にも、血清中に発痛物質(痛みを感じさせる物質)の拮抗物質が増加することで痛みを抑える、とか、保湿作用を持つヒアルロン酸を分解されにくくさせる(つまり鍼は美容にいい?)などの作用もある。

2)筋肉に対する作用
 疲労して収縮力の低下した筋肉に鍼を打つと、収縮力が回復する。これは1)でも述べたように、刺鍼によって血管が拡張し血流が改善されることによるもので、いわゆるスポーツ鍼灸などは鍼のこの効果を主に使っている。また鍼が筋線維を傷つけることで、体の修復機能を活性化させる作用もある。外傷などにより異常緊張している筋肉に対して、筋線維の走行に45°傾けて鍼を打つ交叉刺(こうさし)という手技は、この血流改善と体の修復機能活性化を最大限に狙ったものである。

3)内臓系に対する作用
 胃では、体幹部への刺鍼は胃の蠕動運動を抑え、下肢への刺鍼は蠕動運動を活発化させる。これは、体幹部と下肢では鍼が作用する神経が異なるためで、体幹部では交感神経(消化器系の活動を抑える)に作用し、下肢では副交感神経(消化器系の活動を促す)に作用するため、このような結果になる注4。つまり、鍼を打つ部位を変えることで、胃の機能が亢進しすぎている場合にも、低下している場合にも対応できるのである。

注3:NK活性は、どこでも鍼を打てばいいのではなく、不思議なことにツボに鍼を打つことで著明に高まる。
注4:では、体幹部と下肢に同時に刺鍼した場合はどうなるのだろう。誰か知りませんか?

2.灸の作用

1)灸の種類
 灸には次のような種類がある。
a.有痕灸:皮膚の上に直接行い、灸痕を残す灸法注5で、以下のものがある。
・透熱灸(とうねつきゅう):一般に行われている灸法で、艾(もぐさ)を小さくひねったものを皮膚上のツボの位置などに置いて点火する。
・焦灼灸(しょうしゃくきゅう):イボ、ウオノメなどの上に反復して灸をして組織を破壊する灸法。
・打膿灸(だのうきゅう):母指頭大以上の艾を背部などに置いて点火し、火傷を作る。そして、その上から樹脂膏などを塗って化膿させて1カ月〜1カ月半程度持続的に膿を出させ、それによって体の免疫機能を活性化させる灸法。最近ではほとんど用いられないが、特に西日本の鍼灸院の一部に、この技法を伝えているところがあるという。
 この文章では、以下、有痕灸とは透熱灸を指すことにする。

b.無痕灸:灸痕を残さず、温熱刺激だけを用いる灸法。以下のものがある。
・隔物灸(かくぶつきゅう):スライスしたニンニクやショウガなどの上に艾を乗せて点火する灸法。塩や味噌を用いることもある。
・温灸:棒灸のように皮膚から離して行う灸法や、知熱灸のように熱感が出たところで取ってしまう(あるいは消してしまう)灸法。よく用いられるカマヤミニなどはこの温灸の一種。

c.その他:薬物をツボなどの部位に塗り、その薬物刺激作用を用いる灸法で、本来の灸とは異なる。水灸、漆灸(うるしぎゅう)、紅灸(べにきゅう)などがある。

2)有痕灸と無痕灸は作用にどんな違いがあるか
 有痕灸と無痕灸の違いは、単純に言ってしまえば体に小炎症(火傷)を作るか作らないか、という違いである。
 有痕灸は、体に小炎症を作ることで免疫機能を活性化させる作用がある。つまり、組織を破壊することで組織新生機能を活性化させるのである。具体的には、リンパ管と血管とをつなぐ高内皮細静脈注6が形成され、マクロファージやCD4などの免疫細胞が増加する。ラットで血液に異物を混入する実験では、灸を行ったラットの方が混入した異物を処理するするスピードが速まる、という結果が出ている。
 対して無痕灸は、温熱刺激により皮膚の毛細血管を拡張させ、血液の循環を改善する作用がある。

注5:痕を残すといっても、通常の透熱灸の痕なら1週間〜1カ月程度で消える。打膿灸の痕は、さすがに一生消えないようだ。
注6:高内皮細静脈はリンパ管と血管との言わばショートカットで、これによりリンパ球のホーミング現象(リンパ管から血管へのリンパ球の高速移動)を起こさせる。

3.鍼や灸をツボにするということ

 1、2で鍼と灸の体に対する作用(のほんの一部)を見てきたが、ツボという言葉は注3にしか出てこなかった。鍼を打つと血流が改善する、という話も、灸(有痕灸)をすると免疫機能が上がる、という話も、ツボに限らず体中どこであっても起こりそうだ。では、ツボに鍼や灸をすることに何の意味があるのだろうか。いや、そもそもツボとは何なのだろう。

 実は、ツボと言われているところは、主要な血管の走行部位だったり、血管の分岐部だったり、リンパ節があったり、という場合が多い。 だからツボに鍼や灸をすると、他のところに鍼や灸をした場合と比べて、血管系やリンパ系に対する反応を引き出しやすい、のかもしれない。
 しかし、ツボを単にそれだけのものとして考えると、説明のつかないことが数多く出てくる(例えば、足三里穴への刺鍼で胃の状態が変わる、など)、ツボと言われているところは特定の疾患と関係して圧痛が出現しやすかったり、電気抵抗がほかのところと違っているなど、特異な性質を持つことが経験的にも実験上もわかっている。

 ツボとは何か、についてはさまざまな説があり、今も研究が続けられれているが、はっきりしたことはわかっていない。個人的には、ツボとは体のさまざまな解剖学的な要衝や反応点、反射点をひとくくりにしたものだろう、と思っている。だから「ツボとは××だ」のように、全てのツボを統一的に説明することはできないのではないだろうか。

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1.中医学の考え方

1)陰陽説・五行説
 中医学は古代中国の哲学、自然観である陰陽説・五行説(合わせて陰陽五行説とも言う)を基礎としている。陰陽説とは、自然界のさまざまな事象は陰と陽という2つの要素の相互対立と相互作用によって生じる、という見方であり、五行説とは、宇宙の全ては木・火・土・金・水の5つの基本物質から構成されている、という考え方である。そして5つの基本物質の間にある代表的な関係が相生、相克という関係である。五行相生・相克図
 これら陰陽説・五行説はもともと哲学として生まれたものだったが、その体系が非常に整然としてわかりやすかったことから、人体の構造を見ていく上でも考え方の基本となり、それを医学体系としてまとめていく過程でも自然とその概念に合わせたものになっていったのだろうと思われる。この陰陽説・五行説が、中医学独自の生理学、解剖学である気・血(けつ)・津液(しんえき)・精そして臓象論へと生かされていくことになる。

2)気・血(けつ)・津液(しんえき)・精
 西洋医学の生理学では、体内を流れる血液、リンパ液などの体液の成り立ち、働き、相互関係などが重要なテーマとなる。中医学でそれに相当するのが気・血・津液・精の概念である。
 西洋医学との対比で言うと、非常に大まかに血は血液の血球成分とリンパ液、津液は血液の血漿成分と間質液、精は栄養物質に相当すると考えていいだろう(ただし、全てがきちんと対応付けできるわけではない)。

 西洋医学と東洋医学(中医学)との最も大きな考え方の違いは「気」に関する部分だろう。「気」は果たしてあるのか、ないのか──この問題は今もって結論が出ていないが、私は「気」を生体の持つエネルギーと考え、西洋医学があくまで人体の目に見える物質としての側面だけを対象にしているのに対し、東洋医学ではエネルギーの面まで含めて対象としていると解釈している。

 ただ、西洋医学と東洋医学は、どちらが優れていてどちらが劣っている、ということではなく、どの視点から何を見るかという「ものの見方の違い」があるだけだというのが私の考えである。同じものであっても、見る角度や着目するものが変わると見えるものは変わってくる。それは次に述べる臓象論でも同じである。
3)臓象論注7
 西洋医学における解剖学に当たるのが、この臓象論である。臓象論の特徴は、陰陽説の考え方にならって人間の臓器を陰の臓器:臓と陽の臓器:腑に分け、更にその五臓五腑を五行説の木・火・土・金・水に当てはめ、各臓腑の基本的な性質とその相互作用を陰陽説・五行説の体系の中に埋め込んでいる点にある。そうしてまとめ上げられたのが、五行色体表である。その一部を以下に紹介する。

五行
五臓
五腑
五主
五華
五竅
五液
五志
五味
五悪
五色













小腸
血脈
面色









肌肉

口唇



湿



大腸
皮毛









膀胱
骨・髄




注8



 西洋医学的な解剖学では、各臓器は体のどの位置に、どんな形で存在し、どんな働きをしているか、どの神経によって支配され、どの血管によって栄養されるか、が問題とされる。そこでは、各臓器は消化器系、呼吸器系などのカテゴリの中で、その意味や相互作用を問われることはあっても、その臓器と体全体、心理状態、あるいはその体を取り巻く外部環境との関係を問われることはない。つまり西洋医学では、各臓器は”体のある機能を実現するための部品”として位置づけられる(だからこそ、臓器移植という治療が発想されるのだ)。

 中医学における臓象論は、そういう西洋医学的な内臓系の解剖・生理と全く異なった発想から生み出されていることが、この五行色体表から見ることができる。中医学では各臓腑の位置や形などはほとんど重視されない注9その臓腑がどんな性質を持ち、それが体全体、心理状態、あるいはその体を取り巻く外部環境との間にどのように関係づけられるか、が中医学における臓象論の最も大きなテーマである。

 それを肝という臓を例にとって見てみよう。肝は血の貯蔵庫としての蔵血作用と、気や血の流れを円滑にさせる疏泄(そせつ)作用を持ち、判断力や計画性などの精神活動を支配する。臓である肝は腑である胆と表裏の関係にある。そして肝は筋を主(つかさど)り、肝の状態は爪に反映する。肝は眼に開竅(かいきょう)する、つまり肝は目を通して外界と交流している。従って肝の液は涙である。肝の感情は怒りであり、強い怒りは肝を傷(そこな)う。また肝は酸味を欲し、風邪(ふうじゃ)によって傷害されやすい──これが中医学における肝という臓である。

注7:古典では、それが書かれた当時、”臓”の字がまだなかったため「蔵象論」となっている。
注8:カン。塩辛い、の意。
注9:幕末、処刑された罪人の遺体で腑分け(解剖)を行った医師たちが、漢方の医学書にある臓腑の図は実際の内臓の様子と全く違っていて、西洋の解剖書の図は非常に正確だったのにショックを受けたのは有名な話。

2.「診断」を巡って

1)「診断」と「証」
 西洋医学では、患者の症状や検査結果に適合する「病名」をつけることを「診断」という。  「病名」は、新しい病原体や新しい症状が発見されるたびに新しい名前が付けられて増えていく。つまり、「病名」は時間とともに際限なく増えていくのである。そして治療薬や治療法はその「病名」ごとに確立する必要がある。西洋医学における「診断」は、あくまで「病名」をつけることであるから、“診断はできたが治療法がない”ということがある。逆に診断ができないケースもままある。例えば「いつもただ、わけもなく体がだるい」という患者で、熱もなく生化学検査でもMRIでも異常なしのようなケース。「病名」が付けられない…。そういう場合、患者は確かにつらいのに、「異常ありません」あるいは「心因性のものでしょう」で終わってしまうことになる。

 中医学では「診断」を「証(しょう)」といい、「診断」を行うことを「証を立てる」という。「証」もまた患者を診察し、また必要な検査を行って立てる、という点は西洋医学と変わらない。が、「証」が西洋医学の「診断」と決定的に異なるのは、「証」が表すのは「病名」ではなく「(中医学的な分類に基づく)体の状態」である、という点にある。「病名」と「体の状態」──この差が何を意味するかおわかりだろうか。

 前述のように、西洋医学では病気は限りなく多く存在するから、”診断はできたが治療法がない”ということがある。それに対して「証」は、中医学的に分類された有限の組み合わせの中に患者の症状を当てはめる、というシステムだから、この先どんな新しい病原体が発見されようと「証」自体は増えていかない。「診断」と違って「証」の数が有限であるとは、“「証」が立てられたら、その「証」に対する治療法が必ず存在する”ことを意味する注10 。これが中医学における「診断即治療」というシステムである。

2)「証」を立てる
 中医学に限らず、患者を診ていく上でポイントとなるのは、「どこで/どこの(病位)」、「何が(病因)」、「どうなっているか(病態)」ということである。「証」もこれに即して、一連のプロセスを踏んで立てられる。「証」を立てる方法として最も標準的な、八綱弁証→気血津液精弁証→臓腑弁証の流れを、以下に紹介する。

・八綱弁証
 病位の深浅を表す表・裏、正邪の盛衰を表す虚・実、疾病の性質を表す寒・熱の組み合わせで表される。その「証」は患者を診るポイントのうち「どうなっているか(病態)」に対する回答となる。
 八綱弁証の結果は、例えば「裏虚熱証」という形で表される。「裏虚熱証」とは“病が体の深部にあり、体は正気(せいき)が不足した状態にあり、熱の症状を持っている注11”ことを意味する。

・気血津液精弁証
 病態を診る八綱弁証に続いて行うのが、この気血津液精弁証であり、その「証」は患者を診るポイントのうち「何が(病因)」に対する回答になる。
 気血津液精弁証の結果は、例えば「陰虚証」という形で表される。「陰虚証」とは、“気血津液精のうちの津液(陰液)が不足した状態”を意味する。陰液とは、いわば体の冷却水でもあるので、陰液が不足すると体に熱症状が現れる。先の「裏虚熱証」と合わせると、”病が体の深部にあり、体は陰液が不足した状態にあり、熱の症状を持っている”ということがわかる。

・臓腑弁証
 病因を診る気血津液精弁証に続いて行うのが、この臓腑弁証であり、その「証」は患者を診るポイントのうち最後に残った「どこで/どこの(病位)」に対する回答になる。
 臓腑弁証の結果は、例えば「腎陰虚証」という形で表される。「腎陰虚証」とは“(陰液を産生する)腎という臓に病があり、陰液が十分産生できないために体内の陰液が不足した状態”を意味する。

3)「治則」そして治療へ −診断即治療−
 「証」が立てられると、そこから「治則」(=治療方針)がほぼ自動的に導き出せ、治療が開始できる。それが中医学の「診断即治療」というシステムである。それを前述の2)の各プロセスを例に取って具体的に説明しよう。

 まず、八綱弁証による「証」は「裏虚熱証」だった。これは正気が不足している「虚証」であることから、体の正気を補う手技である「補法」を用い、熱症状を持つ「熱証」であることから、治則は熱を取る「清熱」となる。そこで、治療は「清熱」作用に優れた内庭(ないてい)というツボに補法を施す、という方法が考えられる。

 次に、気血津液精弁証による「証」は「陰虚証」だった。八綱弁証の結果と合わせて治則を立てると、不足した陰液を補い熱を取る「滋陰清熱」となる。よって治療は、内庭と合わせて「滋陰」作用に優れた復溜(ふくりゅう)というツボに補法を施す、という方法が考えられる。

 更に、臓腑弁証による「証」は「腎陰虚証」だった。八綱弁証、気血津液精弁証と合わせて治則を立てると、弱った腎を補いながら不足した陰液を補い熱を取る「補腎滋陰清熱」となる。よって治療は、内庭、復溜と合わせて、「補腎」作用に優れた太谿(たいけい)、腎兪(じんゆ)というツボに補法を施す、という方法が考えられる。あるいは、病位が腎にあるから、「清熱」には胃経のツボである内庭より、腎経のツボの然谷(ねんこく)を選ぶ、という形で使うツボを変えることもできる(ちなみに、復溜は腎経のツボ)。

 上で見たように、全ての弁証を行わなくても、「治則」を立て治療を開始することができることがわかる。が、八綱弁証→気血津液精弁証→臓腑弁証と弁証を重ねていけばいくほど、より的確なツボを選ぶことができ、治療精度を上げることができるのである。

注10:”立てた「証」に対して必ず治療法が存在する”とは、”中医学はどんな疾患にも対処可能である”ことを意味する。が、だからといって、それは”中医学がどんな疾患にも有効である”ことを必ずしも保証するわけではないことに注意が必要。だって、魔法じゃないんだから(笑)。
注11:中医学的な意味での熱症状であって、体温が上がって高熱状態にある、ということではない。

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