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内臓マニピュレーション

1.まずは内臓の生理運動について

 内臓マニピュレーションは、内臓はそれぞれ固有の生理運動を持っている という考え方をベースに、フランスのオステオパス、ジャン−ピエール・パラル(Jean-Pierre Barral)によって開発された手法である。Jean-Pierre Barralそこでまず、内臓の生理運動とは何かについて説明しよう。

 内臓(器官)は解剖学的には大きく消化器系、呼吸器系、泌尿器系などの器官系に分けられるが、同時に内臓は器官系の枠を越えて筋膜、靱帯、間膜などによって骨や他の内臓とのつながりを持って体の中に存在している。従って当然のことながら、内臓は姿勢の変化や呼吸、食事などによって影響を受ける。例えば、体幹を前屈すれば肝臓や小腸、大腸などはその位置を移動しなければならない。息を吸えば横隔膜が下がるので、横隔膜より下にある臓器(肝臓、胃、小腸、大腸、腎臓など)は圧迫を受ける。胃は食物が入っていなければペチャンコだが、食物が入ってくるとふくらみ、大きく形を変えながら消化作業を行うため、その周囲の臓器の位置も変化しなければならない、…などなど。このような、他の生組織との間の相互依存運動を内臓可動力という

 それとは別に、内臓はそれぞれ固有の動きを持っている。それは内臓独自のゆっくりとしたほとんど感知できないほどの小さな動きである。このような 内臓固有の運動を内臓自動力という。内臓自動力に関しては、まだ解剖学的にもオーソライズされた概念ではなく、きちんと解釈もされていないが、胎生期の臓器運動に関連している、とする説がある。胚形成期には臓器そのものが移動するが、その動きが内臓組織に記憶されているのだ、とする説である。

 これら内臓可動力、内臓自動力の両方を合わせて内臓の生理運動と呼ぶ。内臓の生理運動はいずれも微細なものだが、その運動は一日に数千回も繰り返されている。そのため、その運動が制限されると、そのダメージはわずかずつではあるが確実に体に蓄積されていくのである。そのあたりのことをもう少し詳しく見ていこう。

2.内臓の運動制限が起こる原因は何だろうか

胸郭解剖写真
 運動器系では、個々の筋肉が筋膜に包まれ、その筋膜の表面に漿液という潤滑液が分泌されていることで、筋肉同士が大きな摩擦なく滑りあえる構造を持っているように、内臓系にも接し合う内臓同士がスムーズに滑りあえる滑面構造としての漿膜を持っている(髄膜、胸膜、腹膜、心膜などは全てその漿膜である)。また、筋肉と骨格が相互に連結して、それらが全体として体の「動き」を作っているように、内臓系にも相互の連結(内臓連結)がある。運動器系の筋付着部や靱帯、関節に相当するそれは、内臓系では二重膜系、靱帯・間膜系、組織膨張と腔内圧、腸間膜系、網膜系である。これらについて細かく述べることは専門的になりすぎるので省くが、 内臓系にも運動器系に相当する滑面構造や相互連結構造があることは覚えておいてほしい(ただ、特にその相互連結構造の様相は、運動器系とはかなり異なるが)。

 さて、ここでは内臓の運動減少を内臓制限と呼ぶことにする。内臓制限は臓器の一部あるいは全体が運動能力を失った時に起こる。上述のように、内臓系にはその生理運動を支える仕組みとして、滑面構造と相互連結構造を持っているから、内臓制限はそれらの構造に何らかの原因で障害が生じることによって起こることは容易に想像できる。そして、その原因には、例えばこんなものがある。
・胸腹部への外科手術:胸腹部の外科手術によって入った空気は漿膜を乾燥させ、滑面構造にダメージを与えることになる。
・感染症:腹膜、胸膜、心膜への感染症は治癒する過程で隣接組織との付着を伴う。それが固着を起こし内臓制限を作ってしまう。
・内臓下垂:間膜が(重力方向に)常に引き伸ばされているために弾性を失い、それにより相互連結構造がダメージを受ける。

 しかし、運動制限をもたらすものはこのような物理的素因ばかりではない。意外にもこんな原因もある。
・薬物の副作用によるもの:薬物の副作用によってある臓器の働きが失調するとその臓器の可動力、自動力に異常が生じる。ある内臓の生理運動の異常は、内臓系の滑面構造、相互連結構造により他の内臓の生理運動にも影響を与えていく。すなわち、ある臓器の生理運動の異常が内臓系全体の生理運動の異常へと伝播していくのである。
・心理的要因によるもの:中医学(東洋医学)では、感情と臓器の関わりについて明確な対応関係を持っており、実際に診断の際にそれを用いている。西洋医学では感情と臓器の関わりについてオーソライズされた概念はないが、例えば思い悩むと胃が痛くなる(更に悪化すると胃潰瘍になる)などは、日頃経験していることではないだろうか。このように、心理的要因による臓器の不調がその臓器の可動力、自動力に異常が生じ、内臓系全体に伝播していくこともあるのだ。

3.内臓マニピュレーションの実際

 前述のように、各臓器にはその固有の生理運動があり、それは非常に微細な動きではあるが、皮膚から触診することができる。そこで、それを触診して動きの状態を感知し、異常があれは皮膚への働きかけを介して動きを正常化する。それが内臓マニピュレーションの方法である。

 内臓マニピュレーションでは、内臓の生理運動のうちの特に内臓自動力に着目する。内臓自動力では、各臓器は固有の運動軸を持ち、その軸を中心とした回旋運動を行っている。その回旋運動のうち正中に向かう動きをイクスパー、正中から離れる動きをインスパーと呼び、触診ではこのイクスパー、インスパーの動きの正常性や対称性を中心に動きの評価を行う。イクスパー、インスパーの動きが本来のものでなかったり、どちらかの動きが亢進あるいは抑制されていて対称でない場合、そこでマニピュレーションを行うことになる。
 動いているといっても、もともと非常に微細な動きだから、マニピュレーションも力を入れてグイグイ行うようなことはなく、ほとんど触れているだけに等しい形で行われる。

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内臓マニピュレーションに関する詳細な解説です。かなり専門的な内容を含むので、適当に読み飛ばしてください(笑)。